BD7 2016 アルミ製メインシャーシ考察

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昨今はBD7に限らず、他のツーリングカーでもアルミシャーシがオプションでリリースされているマシンが多くなりました。
お客様からも、「重量はどうなの?」とか「走りはどんな感じ?」などといったご質問を頂くこともしばしば。
そこで今回は、BD7 2016用のアルミシャーシについて考察してみたいと思います。

まずはアルミ製メインシャーシの詳細から。
      
肉抜き部が追加され、ブラックアルマイトに面取り加工が映えるとても美しい仕上がりですね!

気になる重量は、95.4gでした。

参考までに厚みは2.0mm、シャーシ幅(一番広い部分で実測)82.8mmとなっています。

一方、カーボンシャーシは…
      
重量70.1g、厚み2.25mm、シャーシ幅84.8mmとなっています。
アルミシャーシの方が、重量はプラス25.3g、厚みマイナス0.25mm、幅マイナス2.0mmという事になります。

アルミシャーシとカーボンシャーシを重ね合わせてみると
      
重量や厚み・幅だけではなく、くびれ部分の形状が少し違います!

それではさっそくアルミシャーシに組み替えてみましょう!
      
ハイ!あっという間に組み替え完了です(笑)
ネジ穴の位置は、基本的にカーボンシャーシと全く同じですが、皿ネジ加工の精度の所為なのか
足回りパーツやバルクヘッド、モーターマウントなどの組み付け精度がカーボンシャーシより高いように思われます。

そして本題の走行インプレッションです!(以下はあくまで個人的な感想です。)
走行テストは、いつもお邪魔しているインドア・超ハイグリップの某サーキットで行ってきました。
ダンパー・スプリング・スタビなどの基本セッティングは全く変更せず、単純にメインシャーシのみの交換で、
「ヨコモZEROブラシレス21.5T+スウィープタイヤ+スケールボディ」と「ヨコモZEROブラシレス17.5T+ソレックスタイヤ+空力ボディ」の2種類の条件で走行しました。

とその前に、BD7シリーズの特徴(クセ?)として感じていたのが、「アクセルON時のオーバーステア」でした。
超ハイグリップアスファルト路面では、この特徴が顕著に現れて、コーナー(特に低速コーナー)出口でアクセルを開けていくと車がインに向かってしまい、
若干神経質なドライビングを強いられました。
但しこのクセは、決して弱点ではなく、BD7 2016の特徴の一つです。人によっては、アクセルONでグイグイ曲げていけるので好みだという人もいます。
私自身は「フロントワンウェイ+センターワンウェイのツーリングカー」をドライブしていた期間が長く、そのマシンの動きが染みついている所為か
どうにもフィーリングが合わなくて、何とかセッティングで打ち消そうと様々なセッティングを試みましたが、
完全に納得のいく状態には仕上がりませんでした。(かなり良く走るようにはなりましたが…)

そんな時、ライバル車のXRAY T4をドライブする機会があったのですが、こちらのマシンはそういった「クセ」は無く、
アクセルON時はニュートラルから弱アンダーステアで、ちょっとしたラフなアクセルワークも許容してくれます。

果たしてこの2台の違いはどこなのか?と見てみると…
   
細かい違いはたくさんあるのですが、一番大きく影響しているのはこの部分ではないでしょうか?
左がBD7 2016、右はXRAY T4です。BD7 2016のセンターシャフトは片持ち式、センターバルクとアッパーデッキはビス止めされていません。
対するXRAY T4は、センターシャフト両側支持、センターバルクとアッパーデッキは4点でビス止めされています。

BD7 2016は、コーナー出口のアクセルONでリヤ周りの捻じれが大きく、オーバーステアになっている感じがしていました。
予想通り、XRAY T4はリヤ周りの剛性が高く、ナーバスな挙動はありません。
(因みにXRAY T4も、センターバルクのビスを外すと、若干ですがアクセルON時にオーバーステア気味になりました)

このような事もあって、より剛性の高いアルミ製メインシャーシを投入してみようと考えていました。

前置きが長くなりましたが、まず走行開始直後に感じたのは、「全体的な安定感」です。
シャーシ自体の重量が増加した為、全体的に重心が下がったことが影響していると思われます。それでいて、それ程重量の増加は実際の走行では感じられません。
おかげでオーバーグリップによる転倒は皆無です。

そしてやはり好印象だった点は、「アクセルON時のオーバーステアの軽減」です!
シャーシ全体の剛性が高いので、リヤ周りの捻じれも少なく、アクセルON時のナーバスな動きも消えました!
意図的に、コーナー出口でラフにアクセルを開けてみましたが、マシンがインに切れ込む様な事もありません。
この事によって、ドライビング時の精神的な負担はかなり軽減されています。

ただ一つ、気になるポイントがありました。
それはシャーシ剛性が上がったことにより、若干ですが曲がりにくくなった点です。
ステアリングの初期反応はシャープさが増したのですが、そこからの曲がりが少し足りなく感じました。

そこで…

写真のように、アッパーデッキを止めているビスのうち、フロント後ろ側のビス2個を取り外し、フロント周りの捻じれを調整してみました。
すると、ステアリングの初期反応と曲がりの全体的なバランスが整って、とても良いフィーリングになりました!

因みに、タイムは「ヨコモZEROブラシレス21.5T+スウィープタイヤ+スケールボディ」「ヨコモZEROブラシレス17.5T+ソレックスタイヤ+空力ボディ」の
どちらの条件でも、トータルタイム・ベストラップ共にカーボンシャーシとアルミシャーシの差はほとんどありませんでした。
しかしながら、アルミシャーシの方がラップタイムの粒を揃えやすいと思います。この辺りは、レースなどではかなりのアドバンテージになるのではないでしょうか。

以上の結果から、総合的に見てハイグリップ路面ではアルミシャーシの方が優位に立つのではないかと思います。
但し、路面グリップ・ドライバーの好み等によって感じ方がそれぞれなので、あくまで「数ある感想の一つ」と捉えてください。
前述のような、ハイグリップ路面での「アクセルON時のオーバーステア」や「オーバーグリップによる転倒」で悩んでいる方にはお勧めです!

余談ですが、アルミシャーシは熱伝導率が高いので、モーターの放熱に効果があるかもしれません(笑)
(モーターの熱が伝わって、走行後に手で触れると結構温かくなっています!)

それでは今回はこの辺りで。戯言にお付き合いいただき、ありがとうございました!


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