バラセル組み立てのコツ
サーキットで走行させていると、周りの人たちがバラセルバッテリーを使っているのをよく見かけると思います。
ビギナーの方には何だか扱いが難しそうなイメージがあると思いますが、パックバッテリーよりも長い期間良いコンディションを維持できるので
実はビギナーの方にはもってこいのアイテムなのです。
しかし、ひとつ難関があります。
ご存知、「ハンダ付け」です。このハンダ付けがきちんと出来ていないために、ちょっとしたクラッシュでバッテリーバーがとれて
文字通り「バラセルバッテリー」になってしまったり、ということも多いようです。
そこで今回は、バラセルバッテリー組み立てのコツを紹介したいと思います。
1:まずは準備するものです。
バラセルバッテリー、組み立てジグ、フラックス、銀入りハンダ、ハンダこてが
必要です。さらにこて台、こて先クリーナーがあると便利です。
ハンダこてはワット数の大きめのもの(48W以上)で、こて先が太くフラットなものが
使いやすいでしょう。お勧めは、goodのCX-100セラミックハンダこて(2646円)です。
2:バッテリーのプラス・マイナスの端子をクリーナー等でしっかり脱脂します。
この作業を怠ると、非常にハンダが乗りにくくなってしまいます。
ハンダ付けに限らず、接着・塗装などを行うときは、対象物をきちんと脱脂するのが重要です。
3:バッテリーの極性に注意しながら、組み立てジグにセルをセットしていきます。
性能には影響はありませんが、バッテリーシュリンクの向きをそろえておいた方が
完成時の見た目も良いですね!
4:端子にフラックスを塗布していきます。
簡単な作業ですが、ハンダの流れが格段に良くなり、効果絶大です。
5:端子に予備ハンダをします。
予備ハンダはあまり盛り付けすぎず、薄く延ばすように行ってください。
目安としてはハンダ1cm位の量で良いと思います。
6:バッテリーシャンテのハンダが乗る所にフラックスを塗り、素早くハンダを盛ります。
この時も盛りすぎに注意してください。目安としてはハンダ1cm位の量で良いと思います。
十分な熱量のハンダこてなら綺麗にハンダが流れしっかり固定できます。
端子に熱を加えすぎるとバッテリーの性能低下を招くことがあるので注意してください!
7:ハンダ付けした部分に残ったフラックスはクリーナー等できちんと落としておきます。
残ったフラックスは端子部やシャンテの劣化につながります。
8:これで完成です。
さらにセルとセルの間にシューグーなどを流しておくと、クラッシュの衝撃で
バッテリーシャンテが歪んだりしにくくなるのでおすすめです。(数グラム程重くなりますが・・・)
9:上の写真ではプラス・マイナス端子にL字型シャンテを取り付けて、直付け仕様にしていますが、
他に通常のコネクターを取り付ければパックバッテリーと同じ感覚で使えるので、
直付けが面倒な方やパーキングロット派の方にはこちらの方法が良いですね!
いかがでしょうか?
初めてバラセルのハンダ付けに挑戦する方は、いきなり新品のバッテリーではなく手持ちの使い古しのパックバッテリーを
バラしてハンダ付けの練習をしてみると良いかもしれません。
重要なのは脱脂と予備ハンダをきちんと施すこと、そして十分な熱量のハンダこてを使い素早くハンダを溶かすこと、そして何より「慣れ」です。
最初から巧くできる人は少ないと思いますが、これらの技術はEPカテゴリーにおいては広範囲に応用ができるので、是非マスターしてみてください!