BD8 2018 走行&セッティング編 その2

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前回、ほぼ「素の状態」でのマシンの走りを確かめましたが、今回からはその状態を踏まえて各部のセットアップを進めていこうと思います。
今回はちょっと文章多めになってしまうかもしれませんが、お付き合いの程よろしくお願いします(笑)

セッティングの方法は十人十色で、これといって「正解」がありません。これから紹介する方法は私個人が行っているもので、絶対的な方法ではありません。
もしかしたらもっと効率の良いセッティング方法が有るかもしれないので、皆様各自でいろいろ研究してみるのも楽しみの一つだと思います!
また、本来タイヤ・インナー・ホイール・ボディもセッティング要因ですが、タイヤなどは各サーキットの定番を使用するのが確実です。
ボディに関しては、レギュレーションや個人の好みによるところが大きいので、普段自身が使用しているもので良いと思います。

さて、かなり以前のTech Tipsにおいて、実際にセッティングを進めるうえで、どういったコーナーで「曲がり過ぎる」のか、または「曲がらない」のかが重要だと記述しました。
そこでまずは大まかに、各コーナーを車速が比較的高い状態で曲がる「中・高速コーナー」と、車速を落として曲がる「低速コーナー」に区分します。
そして更に各コーナーで、「コーナー入口」と「コーナー中盤~出口」(≒「減速時」と「加速時」)を分けて考えます。

スタワンでは、







バックストレート全開から進入していく大きなアールのコーナーは高速コーナーとして分類し、














コース中央のS字(パンダマーク~うさぎマーク)等、しっかり減速して曲がるコンパクトなセクションは低速コーナーに分類します。








因みにテストを行った時点での周回方向は時計回りでした。
5か月ごと(でしたっけ?)に周回方向が変わる為、分類が変わってくるセクションもありますのでご注意ください。

以上のことを前提として、ほぼマニュアル通りのセットアップが施されたマシンの動きを当てはめると、
インフィールドの比較的速度の遅いセクションでは、若干アンダーステア(=曲がりにくい)でそこそこ安定して走れますが、
バックストレートエンドからの高速コーナーでは、進入から中ほどにかけてリヤが不安定で、ステアリングを切った量よりも過大にマシンの向きがイン側に向いてしまう印象です。






もう一つ気になった点は、ねこマークや、その次のいぬマークのクリッピングからコーナー脱出時のマシンの挙動です。

これらのコーナーの脱出時で、スロットルを開けていくとリヤが腰砕けになり、
フロントタイヤの向きの通りに加速していってくれない印象です。






まず最初に、高速コーナー進入~中盤にかけてのオーバーステアの解消です。
この場合、単純に「オーバーステア」といってもフロントのグリップし過ぎが原因というよりは、リヤのロール過大が原因のように感じます。
従って、フロントを逃がすセッティングではなく、リヤのロールを抑える方向での調整を行います。

では、リヤのロールを抑えるにはどんな方法が有るでしょうか?
ざっと思い浮かぶのは「ダンパースプリングを硬くする」、「スタビライザーを硬くする」、「ロールセンターを高くする」辺りでしょうか。
実際にどの方法を選択するかは経験による所が大きいので、慣れないうちは面倒ですが思いつく方法を一つ一つ試していくと良いと思います。
結果それが自身の中でデータとして蓄積されて、様々なレイアウト・路面状況に対応できるようになります!

さて、面倒な事はあまりやりたくない私(笑)が選択したのは、「ロールセンターを高くする」方法です。





アッパーアーム取付け部のバルクヘッド側に入っているスペーサーの厚みを変更します。
キット標準では、1.5mm厚のスペーサーを挟んでいますが、これを0.5mm厚に変更します。

この部分は簡単に変更できる割に、案外マシンの動きが大きく変化するので、
個人的にはこまめに変更するポイントの一つです!






この状態で、軽くコースを周回してみます。
ストレートエンドからの高速コーナーにおけるリヤの不安定感は解消されましたが、インフィールドでリヤの違和感を感じるようになりました。
特に、コース中央部の短いストレート後の「ねこコーナー」の入口で少々アンダーステアがキツくなったような感じです。
この「中ストレート」から、ねこコーナーへとアプローチする時は意外と車速が乗っているので、どうやらリヤが踏ん張り過ぎるようになったのではないかと推測します。
そこで、スペーサーの厚みを0.5mmから1.0mmに増やして走ってみましたが、今度はもう少し高速コーナーでの踏ん張り感が欲しいといった状態です。
ちょっともどかしいですね!(笑)





そこでバルクヘッド側のスペーサーは1.0mmで、
リヤハブキャリア側に1.0mm厚のスペーサーを挟んでみることにしました。

この状態で再び周回してみたところ、ちょうどバランスが取れたように感じました!
(一応、0.5mm厚や1.5mm厚も試しましたが、微妙なフィーリングだったので省略します。)





この変更で、ねこコーナーやいぬコーナー脱出時のリヤの腰砕け感もだいぶ改善されました。
ベストの状態とは言えませんが、他の要因も絡み合っての挙動なので、とりあえずは「良し」としておきます。






ベストラップ的には、誤差の範囲内といった感じですね(笑)
ただ、トータルでの走らせやすさは向上しました!








このようにセッティングを進めていく際は、色々なセッティングポイントをいっぺんに変えるのではなく、
一か所ごとに的を絞って変更していくと変化の度合いが分かりやすく、フィーリングを合わせやすいと思います!

更に、好みはあると思いますが、個人的にはとりあえずリヤの安定感を確保する為の調整を最優先し、
そこから曲がり方を調整していくパターンでセッティングを詰めて行くようにしています。
また、なるべく簡単な変更で仕上げていくのも重要です!色々弄りまわすのはメンドウですからね(笑)

という事で、今回はリヤの安定感の確保の為のセッティング(というほど手間をかけてませんが)を行ってみました。
次回も引き続きセッティングを進めていこうと思いますので、よろしくお願いします!


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