BD8 2018 走行&セッティング編 その3

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前回、リヤ周りの安定感を得るための調整を行い、完璧ではないにせよ十分な安定感を得ることができました。
今回は、マシンの回頭性を改善していこうと思います。

一言に「マシンの回頭性」といっても…
 ・ステアリングの初期反応(主に減速時)
 ・ある一定速度・一定舵角下での回転半径
 ・加速時の舵の効き具合
というように、個人的には上記3点に分けて考えています。

そこで、現在のマシンの総合的なステアリングフィールを当てはめてみると…
 ・ステアリングの初期反応 →×
 ・ある一定速度・一定舵角下での回転半径 →△
 ・加速時の舵の効き具合 →○
といった感じでしょうか。

やはり私のドライビングでは、ステアリングの初期反応が鈍く感じます。





さて、それを改善するために変更したのは、「アッカーマン比」です。

ステアリングクランクのタイロッド取付け部に1mm厚のシムを追加します。
これによりステアリングを切った時に、アウト側のタイヤの切れ角が多くなり、
コーナー初期から鋭く曲がるようになります。






この変更により、かなり好みのステアフィーリングになりました!
一応、他にも0.5mm・1.5mm・2.0mmと様々な厚みのシムを試してみましたが、1.0mm厚が一番「ハマった」感がありました。





ベストラップ的にも結構詰まってきました!
ベストラップが上がることで、アベレージラップも向上してきたので、セッティングの効果が実感できます。

そこそこ楽しく走れるので、「もう十分かな!?」なんて思っちゃいました(笑)







流石にそれでは寂しいので、もうちょっと頑張ります!

マシンの挙動をよく観察してみると、現状でコーナー出口に向かってスロットルを開けたときの「前に出る」感覚はとてもいいのですが
タイトなコーナーにおいて、徐々に車速が落ちていきクリッピングについた時、「クルッ」と向きが変わる感覚に少々違和感を感じてしまいます。
コントロールが困難なほどナーバスな動きではないのですが、より自分好みのマシンに近づけるため、色々と知恵を絞ってみました!

そこで変更したのは、ギアデフオイルの番手です。
現在のデフオイルは、ヨコモ#7500が1.1g封入されています。








そこから一気に番手を#3000(1.1g)まで落としてみます!

まず結果から述べると、少々番手が低すぎたようです。
クリッピング付近の違和感は解消されたのですが、デフの効きが良くなったおかげで、
コーナーリングの初期から鋭くフロントが切れ込んでいくようになりました。

私の感覚では、少々ステアリングの反応が過敏に感じられます。








また、思ったよりもマシンが曲がっていってしまうため、コーナー後半でスロットルを開けていったときに「舵が残る」感覚もあります。
例えば、コントロールタワーから見て右側から中央セクションの、通称「Pコーナー」から「ふたばマーク」につながるセクションは、
狙ったラインに少々乗せ辛くなった印象です。





本来、右写真・赤色矢印のラインのように、Pコーナーのカドからふたばマークのクリッピングまで
直線で結んで走るのが理想ですが、この「舵が残る」感覚の所為で、気を抜くと
黄色矢印のラインのように緩やかなS字を描いてしまうことがチラホラと…。

このセクションで、スロットルを開けていった時に、安定して直線で駆け抜けられるという事は
個人的には、周回方向を問わずとても重要だと考えています。





#7500(1.1g)では動きに違和感があり、#3000(1.1g)では安定感を欠くという事で、最終的に#5000(1.1g)を封入してみたところ
安定感を維持しつつ、タイトコーナーのクリッピング付近における違和感もだいぶ解消された感じがします。

今回オイル量は1.1g固定で、番手だけ変更してセットアップを行いましたが、番手は固定してオイル量の増減で
デフの効きを調整してみるのも面白いかもしれませんね!また違った結果が出るかもしれないので、興味のある方は実践してみてください!(笑)

更に今回は試しませんでしたが、デフオイルを#3000に変えたことでステアリングの反応が過敏になってしまっても、先だってアッカーマン比変更の為に追加した1mmシムを外して
ステアリングの反応を落としてみるのも、また違った結果を導き出すかもしれません。

このように、「ステアリングの反応を早くする」という事一つをとっても、それを実現する方法は複数存在します。
様々なセッティングポイントのバランスの上にマシンの動きが現れてくるというのは、とても興味深いですね!

という事で、今回はこの辺で。少しずつですが、次回も引き続きセッティングを進めていきます。
ありがとうございました。


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