セッティングについて 2

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第2回目のテーマは、ダンパーの取り付け位置と車高&リバウンドについてです。

 ではまず、ダンパーの取り付け位置から解説したいと思います。ハイエンドツーリングカーといわれるシャシーは必ずといって良いほど、ダンパーステーのダンパー取り付け穴が数箇所設けられています。
 基本的にダンパーのオイルの粘度とスプリングの硬さを固定した状態で、この取り付け穴を内側に変えてダンパーを寝かせることで、ロールを増加させことができます。逆に外側に変えて立たせるとロールは減少します。つまり、スプリングやスタビの硬さを変えるのと同じ効果が得られるのです。と同時に、例えばフロントダンパーを立てていくとステアリングの初期反応も向上します。逆に寝かせていくと初期反応は鈍化します。リアダンパーを立てていくとリアの動きが軽快になり、寝かせていくと穏やかな動きを示すようになります。

 ここでひとつ問題です。例えば、ダンパーを立てて初期反応が向上し自分好みのハンドリングになったものの、同時にロールが減ったことにより低速で曲がらなくなった場合どうしたらよいでしょう?
答えは簡単、スプリングかスタビバー(もしくは両方)を1ランク柔らかくすれば良いのです。
こうすることで、ロール量を変化させずにステアリングの初期反応を向上させることが可能になります。リアでも同じように調整が可能です。これでハンドリングの調整幅はかなり広くなると思います!

 次に、車高&リバウンドについて解説します。なぜこの2つの項目がひとまとめなのかと言うと、車高を変えたときには同時にリバウンド量も変化するからです。ちなみにこれらを計測する際は、必ず実際に使用するタイヤを取り付けて、バッテリーやモーターなどを全装備状態で計測します。
(車高とは本来、地上からルーフの最上部までを表す言葉で、正確を期すなら「最低地上高」といった方が良いのですが、RCでは「車高」で通じるのでそちらで記述します)
 ではまず、車高の解説からはじめます。といっても、「車高って何?」という方は少ないと思うので細かい説明は不要だと思います。したがって、具体的にどのくらいの車高に設定すれば良いかに絞ってお話します。ズバリ、サーキットを走行する場合車高はフロント:4.5mm、リア:5mmでほぼ問題ないと思います。これで少々曲がりすぎるように感じるときはフロントを5mmに合わせてあげれば良いでしょう。これに加え、かなりフラットな路面ならフロント・リア共にこれより0.5mmづつ下げて、逆にすこしバンピーな路面なら0.5mmづつ上げる程度の調整で十分だと思います。車高は低めのほうが安定感は増すのですが、4mm未満ではサスペンションストロークが十分確保できなかったり、逆に車高を上げると若干ですがグリップ感が高くなりますが、上げすぎると重心が高くなり挙動が不安定になったりするので、上げすぎ・下げすぎには注意が必要です。
 また、パーキングロットでの車高は、6〜7mm程度は確保しておいたほうが良いでしょう。多くのパーキングロットの路面はグリップが悪くバンピーなので、車高が低いとグリップ感が少なかったりシャシー下面と路面のギャップが干渉したりしてあまり良いことがないので注意してください。
 ちなみに車高を調整する際は、必ずダンパーの車高調整リテーナーで調整してください。稀にビギナーの方でサスアームのツイークスクリューで調整している方がいますが、これでは次に解説する「リバウンド」が取れなくなってしまうので注意してください。

 続いてリバウンドの解説をしていきます。ご存知だとは思いますがリバウンド量は、静止状態からシャシーを持ち上げて行って左写真のようにタイヤが路面から離れた時の車高(写真では9mm)から、静止状態の車高をマイナスした数値で表されます。
 基本的にリバウンドを増やすとグリップ感は増し、減らすとグリップ感も減少します。アンダーステアの場合はフロントのリバウンドを増やすかリアを減らすかで対応し、オーバーステアの場合はフロントを減らすかリアを増やすかで対応します。また、コーナー脱出時にアクセルオンでアンダーステアが出る場合があります。これはアクセルをオンにしてリアへ荷重が移った時に、フロントがリフト(実際はタイヤが離れるほどリフトはしませんが)することでグリップが減少するのが原因です。したがって、こういった場合、フロントのリバウンド量を増やすと好結果が得られます。逆にコーナー進入時にアクセルオフでリアがブレイクする場合があります。これはアクセルをオフにしてフロントに荷重が移った時に、リアがリフトしてグリップが失われているのが原因です。このときはリアのリバウンド量を増やすと良いでしょう。ただし、リバウンド量は多すぎても少なすぎてもあまり良くないので注意しましょう。調整するときは0.5〜1mm位づつ変更して様子を見てください。

 最後に、ひとつ重要な点があります。それは、車高を調整したらリバウンド量も必ず調整するということです。例えば静止状態の車高が5mmでタイヤが路面から離れた時の車高が9mmと仮定してみましょう。リバウンド量は(タイヤが路面から離れた時の車高)−(静止状態の車高)なので、この場合のリバウンド量は4mmとなります。この状態から、静止状態の車高だけを7mmに上げたとします。すると、9mm−7mm=2mmでリバウンド量は減少してしまいます。この時、タイヤが路面から離れた時の車高を11mmに調整すればリバウンド量を変えずに静止状態の車高を上げた事になります。逆に静止状態の車高を4mmに下げたとすると、今度は9mm−4mm=5mmでリバウンド量は増加してしまいます。この時も同様にタイヤが路面から離れた時の車高を8mmに調整してあげれば問題ありません。

今回紹介したセッティングポイントは、ハンドリングの微調整に非常に有効です。
是非活用してみてください!


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