セッティングについて 4

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第4回目は、ロールセンターの調整についてのお話しです。

 左図はロールセンターの求め方を表した図です。(かなり極端な例ですが…)
ロールセンターは車体がロールしたときの回転中心となる点で、車を正面から見た時にアッパーアームとロワアームの延長線の交点をAとして、交点Aからタイヤ幅の中心と地面の接する点を結び、その線分と車体幅の中心線の交点で求められ、図中の交点Pが相当します。(ただしロールセンターの位置はシャシーのロールに伴って移動します)
 簡単に言うと、ロールセンターを上げた時はロール量が減少し、逆に下げた時はロール量は増加します。ではロールセンターを調整することで、どんなメリットがあるのでしょうか?例えば、かなりのハイグリップ路面でロールを減らしたいが、路面がバンピーでスプリングを硬くしていくと跳ねてしまうような場合にロールセンターを上げてロールを減らしたりできます。また、路面グリップが非常に高くオーバーグリップで動きが重いときなどはロールセンターを下げていくと車の動きは軽快になります。これはロールセンターを下げることにより、タイヤにかかる面圧も下がるからです。また、同じくオーバーグリップで転倒してしまうような時はフロントのロールセンターを下げると好結果に繋がります。
 このようにロールセンターはRCカーのロール量とタイヤにかかる面圧に関係するセッティングポイントですが、その調整方法は何通りか存在します。一番良く知られているのは、ロワアームのサスマウント下のスペーサー量で調整する方法です。このスペーサー量を増やすとロールセンターは高くなり、減らすと低くなっていきます。他にはアッパーアームのバルクヘッド側支点の下にはさむスペーサー量や同じくアッパーアームのハブキャリア側支点の下にはさむスペーサー量でも調整できます。この場合バルクヘッド側とハブキャリア側でロールセンターは逆の変化をします。まずバルクヘッド側のスペーサー量を調整した場合ですが、このスペーサー量を増やした場合、図中の交点Aの位置は高くなり交点Pの位置は低くなり(ロールセンターが低くなり)ます。逆にスペーサー量を減らした場合、ロールセンターは高くなります。次にハブキャリア側のスペーサー量を調整した場合です。このスペーサー量を増やした時、交点Aの位置は低くなり交点Pの位置が高く(ロールセンターが高く)なります。逆にスペーサー量を減らした場合、ロールセンターは下がります。また、左図において(※)バルクヘッド側とハブキャリア側の両方に同じ量のスペーサーを増やした場合にロールセンターは低くなり、同じ量減らした場合はロールセンターは高くなります。ちなみにバルクヘッド側かハブキャリア側のどちらかのスペーサー量で調整した場合、アッパーアームの角度も変化します。従って、ロール時のキャンバー変化量も同時に変わるので注意してください。この辺りの事は文章ではわかりにくいので、実際に作図してみると理解しやすいと思います。

これらに加えて、一部の車ではサスアームとハブキャリアを取り付けるサスピンを通す穴が複数開いていて、ハブキャリアの位置を上下させることでロールセンターを調整できるものもあります。(右写真参照)
 このタイプのものは、上穴を使った場合ロールセンターは低めに設定され、下穴を使った場合ロールセンターは高めに設定されます。これにより、前述の調整方法と合わせてさらに細かい調整が可能になります。

 ロールセンターの調整で注意しておきたい点があります。それはフロントとリアのロールセンターで大きく差をつけすぎないことです。極端に差をつけすぎると非常にバランスの悪い車になってしまいます。しかしながら、ロールセンターは具体的に目に見えるものではないので感覚に頼りながらの調整になってしまいます。実際にどのくらいが良いかはシャシーや路面状況、さらには個々のドライビングスタイルによって違うので、メーカー推奨セットを基準にスペーサー量を0.3〜0.5mm単位で調整していくと良いでしょう。


※補足
現在のツーリングカーにおいてロアアームの角度は、ハブキャリア側の方がサスマウント側より若干高くなっている場合がほとんどです。
バルクヘッド側・ハブキャリア側両方に同じ量のスペーサー増やした場合/減らした場合は、本文中のロールセンター位置の変化とは逆に変化します。

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